意思決定についての考察と、決断力を上げる為の勘所
要約
- 意思決定においては、スピードと適切さを上げる事が重要
- 決断力を高めるには、失敗の許容とそれにともなう学習が有効
- 特に組織においては、意思決定に至ったプロセス・理由を含めて透明性のある形でオープンにし、メンバーに納得感を持ってもらう事が必要
- 個人の決断力を高めるには、人の目を気にしない、というメンタルが必要
背景
経営/ビジネスは意思決定の連続である。データ分析を生業とする身からして、組織の意思決定に役立てる術に興味をもった。一方で最近、日々の生活の中で決断を求められる場面を意識するようになった。論理的な決断は出来ているつもりであったが、これはどちらかというと「判断力」と呼ばれるもので、実は決断力は弱い、という事に気がついた。なぜかというと、スピードが遅い、決断後に後悔する事が多い(タラレバ)という場面があったので。
意思決定の評価軸(KPI的なもの)
適切さ
ただ単に直感でなんとなく判断するのではなく、情報を論理的に構成した上で判断するプロセスを経ることで、数をこなしたときの質があがるはず。
スピード
結局は何が正解がない事が多いので、意思決定に時間をかけすぎるのは費用対効果がなくなる。また、決断が遅れると時機・チャンスを逃してしまう、という側面もある。
(組織においては)納得感
決定後に、組織で実行する際のパフォーマンスに影響するので。
決断力を高める為にする事
制限時間を決める
スピードを早めるため。まずはかかった時間を計測する事も有効。
失敗を許与する
これもスピードを早めるため。そもそも決断する段階では正解がわかっていないので、後から不都合が出てしまうことはしょうがない。
失敗から学習する
数を多くこなす事で、経験により決断力が培われる。
人目を気にしない
ひと目を気にすると大胆な決断をできない事があるが、だいたいの場合、他人はそれほど気にしていない。
決めたあとは後悔しない
手戻りが発生するため。前に進める事が重要。
判断軸と優先順位を設定する
決断に自身がもてない場合、判断軸が洗い出されていない事が多い。また、多くの要素がある場合はコンフリクトが起こるので、判断軸の優先順位を決めておかないとどれかに決定できない。
論点やメリット・デメリットなどを書くなど、思考の過程を可視化する
要素が多い場合、そらで考えていると堂々巡りになったり、同じ思考を繰り返してしまうことになり時間がもったいない。
選択肢が多い場合は消去法
優良な選択肢により集中できるので。
視野を広げる・人の意見を取り入れる
選択肢の段階で、有効なものが含まれていないことを防ぐため。まずは幅広で出して、その後に絞る、という手順が有効。
雑学
英語では、意思決定は"Decision Making"、決断力(がある)は"Decisive"、判断力は"Judgement"という。これをみるに、どちらも「意思」「力」といった体育会系な要素がない部分がさすが論理的な言語という気がする。
参考文献:
「意思決定」「決断力」でGoogle検索
三流上司は意思決定から逃げ、二流は意思決定の「精度」にこだわり、一流は意思決定の「○○」を追求する | 最高品質の会議術 | ダイヤモンド・オンライン
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